令和3年 就労条件総合調査

2021年11月24日
令和3年 就労条件総合調査

今回は、今月、厚生労働省から発表された「令和3年 就労条件総合調査」(令和3年調査)の中から一部抜粋して、「令和2年 就労条件総合調査」(令和2年調査)とも対比しつつその結果をご紹介します。

年次有給休暇の取得率は56.6%で過去最高

2020年(令和2年)の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は、労働者1人平均で17.9日(令和2年調査 18.0日)、このうち労働者が取得した日数は 10.1 日(同 10.1日)で、取得率は 56.6%(同 56.3%)となっており、昭和 59 年以降過去最高となっています。

第5表 労働者1人平均年次有給休暇の取得状況
第2図 労働者1人平均年次有給休暇取得率の年次推移

取得率が上昇した背景には、2019年(平成31年)4月に労働基準法が改正され、年5日の年次有給休暇の取得が義務化されたことが影響しているといえます。当該義務を履行するために、労使協定を締結して年次有給休暇を計画的に付与する仕組みを新たに導入した企業もみられましたが、計画的付与制度がある企業割合は、令和3年調査では46.2%と令和2年調査43.2%に比べて上昇しています。

計画的付与制度がある企業割合 令和2年調査 令和3年調査
調査(規模)計 43.2% 46.2%
1000人以上 46.4% 51.9%
300~999人 46.9% 46.7%
100~299人 45.0% 47.9%
30~99人 42.2% 45.5%

取得率は増えてはいるものの、過労死等の防止のための対策に関する大綱で掲げている目標(2025年(令和7年)までに取得率70%以上)にはまだ遠い状況ですので、取得促進に向けた取り組みが強化されるでしょう。

裁量労働制の採用企業割合は専門業務型2%、企画業務型0.4%

裁量労働制の採用企業割合はあまりかわらず、数パーセントにとどまっています。

専門業務型裁量労働制採用企業割合 令和2年調査 令和3年調査
調査(規模)計 1.8% 2.0%
1000人以上 10.6% 9.1%
300~999人 3.6% 4.1%
100~299人 2.0% 2.3%
30~99人 1.3% 1.5%
企画業務型裁量労働制採用企業割合 令和2年調査 令和3年調査
調査(規模)計 0.8% 0.4%
1000人以上 4.8% 4.7%
300~999人 1.6% 1.6%
100~299人 1.2% 0.4%
30~99人 0.5% 0.2%

なお、今回の調査には含まれていませんが、2019年(平成31年)4月から導入された高度プロフェッショナル制度の導入企業数は、2021年(令和3年)3月末時点で20社となっています。

勤務間インターバル制度の導入企業割合は4.6%

勤務間インターバル制度(勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設ける制度)の導入企業割合は4.6%(令和2年調査4.2%)で、1企業平均間隔時間が10時間57分(同 10時間46分)となっています。
勤務間インターバル制度は、2019年(平成31年)4月に労働時間等の設定の改善に関する特別措置法において努力義務として定められたもので、過労死等の防止のための対策に関する大綱では2025年(令和7年)までに導入企業割合を15%以上とする目標が掲げられています。

第12表 勤務間インターバル制度の導入状況別企業割合および1企業平均間隔時間

執筆陣紹介

岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)

食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー、退職金制度構築支援等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「最新整理 働き方改革関連法と省令・ガイドラインの解説」(共著/日本加除出版株式会社)、「アルバイト・パートのトラブル相談Q&A」(共著/民事法研究会)他。

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。

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