短時間労働者に対する社会保険の適用拡大④
2ヵ月を超える雇用の見込みがあること

2022年8月11日
短時間労働者に対する社会保険の適用拡大④ 2ヵ月を超える雇用の見込みがあること

前3回に引き続き、社会保険の適用拡大の対象となる短時間労働者の要件の確認です。
最後は「④ 2ヵ月を超える雇用の見込みがあること」についてその内容を確認します。

  • ① 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • ② 月額賃金が8.8万円以上であること
  • ③ 学生でないこと
  • ④ 2ヵ月を超える雇用の見込みがあること

雇用期間要件の廃止

これまでは短時間労働者の適用要件のひとつに「雇用期間が継続して1年以上見込まれること」がありましたが、2022年10月1日以降、この雇用期間要件は廃止されます。

一方、もともと短時間労働者も含むすべての社会保険の被保険者の適用除外者のひとつとして「2ヵ月以内の期間を定めて使用される者」が定められていましたが、2022年10月1日以降は「2ヵ月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの」に改正されますので、2022年10月1日以降、短時間労働者が社会保険の対象となる場合も、「2ヵ月を超える雇用の見込みがあること」を満たす必要があります。

「2ヵ月を超える雇用の見込みがあること」とは

「2ヵ月を超える雇用の見込みがあること」とは、雇用期間の定めがない場合や雇用期間を定めている場合でその期間が6ヵ月や1年などの2ヵ月を超えている場合が該当しますが、これらに加えて、雇用期間が2ヵ月以内であっても、次の①又は②のいずれかに該当するときは、雇用開始の当初から「2ヵ月を超える雇用の見込みがあること」として取り扱われます。

①就業規則、雇用契約書等その他書面においてその契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていること

②同一の事業所において同様の雇用契約に基づき雇用されている者が更新等により2ヵ月を超えて雇用された実績があること

ただし、①又は②のいずれかに該当する場合であっても、労使双方により、2ヵ月を超えて雇用しないことについて合意しているときは、この限りではありません。

雇用期間を定めている場合は、労働契約を締結する際に労働条件通知書等で契約更新の有無を明示する必要がありますが、当該有無については「契約更新をすることがある」旨を定めているケースが多いため、この場合は、2ヵ月以内の雇用期間を定めている場合でも④の要件を満たすことになります。

執筆陣紹介

岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)

食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「テレワーク・フリーランスの労務・業務管理Q&A」 (共著/民事法研究会/2022)、「実務Q&Aシリーズ 退職・再雇用・定年延長(共著/労務行政研究所/2021)、「判例解釈でひもとく働き方改革関連法と企業対応策」(共著/清文社/2021) など。

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。

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