無期転換ルール対策はお済みですか。

2017年9月6日

無期転換ルールとは、平成25年4月1日施行の改正労働契約法により、同じ事業所で有期雇用契約が5年を超えて反復更新された場合は、有期契約労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約に転換されるというものです。
例えば、平成25年4月1日から1年契約の有期雇用契約を繰り返している契約社員あるいはパートタイマーなどと呼ばれている労働者がいる場合、平成30年4月から無期転換申込権が発生します。そしてその労働者から無期転換の申込みがあった場合には期間の定めのない雇用契約に変更する必要があるということです。つまり、有期契約労働者がいる事業所では、早急に無期転換のためのルール作りが必要というわけです。
ここで、無期転換ルールについてよくある質問をまとめましたので紹介します。

Q1 有期契約労働者は全員無期転換させなければならないのですか。

A1:無期転換ルールはあくまで対象労働者からの申込みがあった場合ですので、労働者自身が有期雇用契約を望むのであれば転換の必要はありません。

Q2 無期転換の申込みがあった場合、正社員に転換しなければならないのですか。

A2:基本的に無期転換ルールは契約期間を有期から無期に転換するルールですので、必ずしも正社員に転換する必要はありません。

Q3 無期転換を行った場合、給与や待遇面の労働条件を変える必要がありますか。

A3:無期転換ルールでは、労働条件の向上までは規定されていませんので、現状の契約内容と同等で大丈夫です。


それでは、無期転換ルール作りの手順について簡単にご説明します。

【手順1】
自社で働いている有期契約労働者の人数、職務内容、契約期間、更新回数、勤続年数などを洗い出しまとめましょう

【手順2】
自社の就業規則において、有期契約労働者の定義に加え、正社員と有期契約社員の労働条件等がどのように規定されているか確認しましょう。

【手順3】
有期契約社員の転換後の役割を分類します。ここでは、主に3つのタイプを想定しました。
(但し、②のパターンは多くの中小企業では現状として必要ないかもしれませんが)

① 雇用期間のみの変更パターン・・・賃金や労働時間など、その他の労働条件は変更しませんので、職務や処遇を変更する必要がない労働者です。
② 多様な正社員への変更パターン・・・いわゆる「正社員」と比較して勤務地や労働時間、職務などの労働条件に制約を設けた準正社員的な労働者です。
③ 正社員への変更パターン・・・業務内容に制約がなく、入社後定年に達するまで勤務することを想定した、一般に「正社員」、「総合職」と呼ばれる労働者です。

【手順4】
雇用形態ごとの就業規則に、転換制度を定めるとともに、転換後に適用される就業規則(上記3パターン)を整備(新規作成あるいは変更)します。


以上導入手順について簡単に説明しましたが、大切なことは、無期転換ルールが制度化された本質的な理由を理解するということだと思います。つまり、会社にとっては実務や社内事情等に精通する、優秀な有期雇用従業員の流出防止につながり、持続的な人材戦略を立てやすくなること。また、労働者にとっては無期労働契約に転換することで、安定的かつ意欲的に働け長期的なキャリア形成を図ることができるようになる、ということを理解したうえで肯定的、積極的に考えてゆくことが大切だと思います。





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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。




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