「平均寿命と健康寿命の差は約10年」65歳以上をどう過ごす?

2026年1月29日
「平均寿命と健康寿命の差は約10年」65歳以上をどう過ごす?

【5分で納得コラム】 今回のテーマは「平均寿命と健康寿命の差は約10年・65歳以上をどう過ごす?」です。

「平均寿命と健康寿命の差は約10年」65歳以上をどう過ごす?

1. 平均寿命の推移

“人生100年時代”といわれていますが、本当にそのような時代がやってくるのでしょうか。

令和7年度版 厚生労働白書」(厚生労働省)によれば、平均寿命は下図のとおり、1955年から2023年までの70年弱の間に、男性は17.49年延伸して81.09年に、女性は19.39年延伸して87.14年になっています。今後も平均寿命の延伸は続き、2070年には男性85.89年、女性91.94年になると推計されています。

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※令和7年度版厚生労働白書より

また、厚生労働省の公表によれば、2025年9月1日現在の住民基本台帳に基づく100歳以上の人口は99,763人になっています。その人数は、老人福祉法が制定された1963年には153人でしたが、1981年に1,000人超、1998年に10,000人超、2012年に50,000人超となり、2025年には100,000人近くになっています。なお、2025年の100歳以上の人口のうち女性は約88%を占めています。

平均寿命は際限なく延伸するものではないでしょうが、100歳まで生きることが珍しくない状況がそれほど遠くない時期に到来することが想定されますので、備えが必要だといえます。

2. 健康寿命

平均寿命が延伸している一方で、日常生活に制限がない期間の平均である健康寿命はどうなっているのでしょうか。

前述の白書によれば、健康寿命も下図のように過去20年延伸傾向にあり、2022年(令和4年)に男性は72.57年、女性は75.45年となっており、男女ともに70年を超えています。

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※令和7年度版厚生労働白書より

平均寿命と健康寿命には10年前後の差がありますので、今後健康寿命の延伸が重要になりますが、厚生労働省では、「健康寿命をのばそう」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に楽しみながら健康な毎日を送ることを目標とした国民運動「SMART LIFE PROJECT」を推進しています。

3. 65歳以上の定年等を定めている企業は約35%

平均寿命が延伸すればその分老後の生活資金への備えが必要になりますが、60歳までしか働かず、貯蓄でその後40年の生活資金を賄うとすれば、60歳までに相当の貯蓄をしなければなりません。健康寿命が延伸する中で、健康で働けるうちは働きたいと考えた場合に、企業にその受入体制はあるのでしょうか。

令和7年高年齢者雇用状況等報告」(厚生労働省)によれば、定年制の状況は、下図のとおり、65歳以上の定年(定年制の廃止も含む)を定めている企業は全企業で約35%になっており、3分の1強の会社で65歳以上でも働くことができる仕組みになっています。

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※令和7年高年齢者雇用状況等報告より

なお、前年対比でみると、定年を60歳とする企業が2.2ポイント減少する一方で、定年を65歳とする企業は2.0ポイント、定年を66~69歳とする企業は0.1ポイント、定年を70歳以上とする企業は0.1ポイント増加しています。

“人生100年時代”において65歳以上をどう過ごすか、そして、そのために今何をすべきかを考えつつ、個人としてはカメレオンのごとく環境に柔軟に対応していく必要がありそうです。また、企業としては、人手不足の中で、65歳以上をこれまで以上に活躍させることができる体制を早めに構築する必要があるでしょう。

執筆陣紹介

岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)

食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「実務Q&Aシリーズ 退職・再雇用・定年延長(共著/労務行政研究所)、「テレワーク・フリーランスの労務・業務管理Q&A」 (共著/民事法研究会)、「労災の法律相談〔改訂版〕」(共著/青林書院)、「判例解釈でひもとく働き方改革関連法と企業対応策」(共著/清文社)、「労務トラブルから会社を守れ!労務専門弁護士軍団が指南!実例に学ぶ雇用リスク対策18」(共著/白秋社)など。

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。

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