iDeCoの見直し
加入可能年齢や掛金上限の引き上げ
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【5分で納得コラム】 今回のテーマは「iDeCoの見直し 加入可能年齢や掛金上限の引き上げ」についてです。
iDeCoの見直し 加入可能年齢や掛金上限の引き上げ
1. iDeCoとは
iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金制度の認知度を高めていくために公募により決定した個人型確定拠出年金の愛称で、英語表記の「individual-type Defined Contribution pension plan」から名付けられています。
iDeCoは、1階部分の基礎年金(国民年金)や2階部分の厚生年金(厚生年金保険)といった公的年金に上乗せして給付を受けられる3階部分の私的年金のひとつで、加入者が自ら掛金を拠出し、その資金を自ら運用して、掛金とその運用益の合計額をもとに将来の給付額が決まる仕組みです。将来受け取れる年金額は自らの運用実績によって変わるため、同じ掛金(金額)を拠出していても、選択する運用方法によって給付額が異なります。
また、iDeCoには、老後に向けた個人の資産形成を支援する制度として、3つの税制上の優遇措置が設けられています。その一方で、口座管理などの手数料がかかることや、原則として60歳まで給付を受けることができないなどの制約もあります。
【 3つの税制上の優遇措置】
◇掛金が全額所得控除
掛金全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、税金が軽減されます。◇運用益も非課税
通常、金融商品の運用益には課税されますが、iDeCoの場合は非課税で再投資されます。◇給付時も大きな控除あり
iDeCoは、基本、年金か一時金で受取方法を選択することができますが、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。このiDeCoの仕組みが2026年から見直されます。
2. 加入可能年齢の引き上げ
現在、iDeCoに加入するためには、国民年金の被保険者で、かつ、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないという要件があるため、主に20歳以上60歳未満の者が対象になっています。
2026年12月1日(予定)からは、公的年金への保険料を納めつつ、上乗せとしての私的年金に加入してきた者が60歳から70歳にかけて老後の資産形成を継続できるようにするため、現在の要件に加え、国民年金被保険者以外の者であっても、60歳以上70歳未満のiDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者で、以下の①及び②の要件を満たす者は、iDeCoへの加入や継続拠出が認められるようになります。
①以下のいずれかに該当する国民年金被保険者以外の者
・iDeCo加入者
・iDeCo運用指図者
・企業年金からiDeCoに資産を移換する者②老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者、マッチング拠出を実施していない者
なお、経過措置として施行日から3年間は、上記の①に該当しない60歳以上70歳未満の者であってもiDeCoへの加入が可能になります。
3. 掛金上限の引き上げ
2026年12月1日(予定)からは、老後に向けた資産形成を促進するため、iDeCoの拠出限度額が引き上げられます。引き上げのイメージは下図のとおりですが、概要は以下になります。
・第1号加入者(20歳以上60歳未満の自営業者など)の拠出限度額
月額 7.5万円に引き上げる(現行:月額 6.8万円)・第2号加入者(会社員等の厚生年金保険の被保険者)の拠出限度額
月額 6.2万円に引き上げる(現行:月額 2.0万円又は2.3万円)
なお、勤務先の企業年金の有無等によって差がありましたが一本化されます。・第4号加入者(国民年金に任意で加入した者)の拠出限度額
月額 7.5万円に引き上げる(現行:月額 6.8万円)・第5号加入者(前述の加入可能年齢の引き上げの対象者)の拠出限度額
月額 6.2万円とするなお、2026年4月1日から、以下の見直しも行われます。
・企業型DCにおける手続きの簡素化(簡易型DCの通常の企業型DCへの統合)
・企業型DCの拠出限度額の拡充(マッチング拠出における加入者掛金の額の制限撤廃)
・自動移換に関する事業主の説明時期の見直し
・中小事業主掛金納付制度における届出の簡素化
執筆陣紹介
- 岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)
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食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「実務Q&Aシリーズ 退職・再雇用・定年延長(共著/労務行政研究所)、「テレワーク・フリーランスの労務・業務管理Q&A」 (共著/民事法研究会)、「労災の法律相談〔改訂版〕」(共著/青林書院)、「判例解釈でひもとく働き方改革関連法と企業対応策」(共著/清文社)、「労務トラブルから会社を守れ!労務専門弁護士軍団が指南!実例に学ぶ雇用リスク対策18」(共著/白秋社)など。
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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。

