【ナレッジセンター】興味はあるけど、検討はしない?
人事がRPAの不安を払拭する「たった2つの条件」-後編-

2017年12月13日

前編では、人事担当者の本音として「興味はあっても検討しない」理由と、その対策となるRPAのサービス選定ポイントをご紹介しました。
後編は、自社に最適なサービスを選定した後の話として、運用していく上での注意点を‟RPAを活用するためのもう一つの条件“としてご紹介します。



4.RPAは「業務自動化」の第一段階にすぎない

RPAは「業務自動化」の第一段階にすぎない

導入後の押さえておくべきポイントをご説明する前に、先ず、正しく理解しておかないといけないことがあります。それは、業務自動化の‟本当の意義“がどこにあるか?ということです。冒頭でもお伝えしたとおり、将来の生産年齢人口の減少に備え、「デジタルトランスフォーメーション」への関心が急速に高まっています。これは、多くの経営者が企業のビジネス開発・継続のための経営課題に、将来の労働力不足への対策を掲げているためです。

そして、「デジタルトランスフォーメーション」の実現には3つの段階(図4)があると言われており、今、注目を集めている‟RPAによる単純作業の自動化”はその第一段階にあたります。この段階ではまだ、現場レベルの一過性の業務効率向上策や人手不足対策でしかありません。
今後、業務自動化への取り組みは、人口知能(AI)の実用化により、‟高度な業務の自動化“に向けた第2、第3の段階へと進んでいきます。具体的には人工知能(AI)が、機械学習から深層学習へと進化することで、「ロボット」が担う範囲も非定型業務を含めた確認作業や高度な判断業務へと範囲を広げていきます。つまり、業務の自動化のITテクノロジーは‟人手不足の解消“だけでなく、‟労働の質“を向上させることも可能になっていきます。そのため、経営者はデジタルトランスフォーメーションへの取り組みを、単なる人手不足対策で終わらせるのではなく、「恒久的且つ優秀な労働力確保」として期待を寄せているのです。

図4:デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた3ステップ


デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた3ステップ

■段階1:RPA(Robotics Process Automation)
機能の定義 ルール処理エンジン、スクリーン収集、ワークフロー
活用例 データ入力や複数アプリケーションの連携が必要な単純作業の定型業務。
例えば、人事・経理・総務などの間接部門の事務・管理業務、販売管理や経費処理など、単純且つ反復性の高い作業の自動化
■段階2:EPA(Enhanced Process Automation)
機能の定義 構造化されていないデータや知識の収集や分析
活用例 非構造化データの収集や分析などの非定型業務。
例えば、ログの分析、様々な要因を加味した売上予測、Web のレコメンド広告などの分析処理や確認業務の自動化
■段階3:CA(Cognitive Automation)
機能の定義 自然言語処理・ビッグデータ分析・個別最適化処理
活用例 大量データを学習して最適判断が必要な業務。
例えば、ヘルプデスクや天候に左右される仕入れ管理、経済情勢を加味した経営判断などの高度な判断業務

業務自動化の本当の意義を踏まえると、現在、取り組もうとしているRPAの活用方法には課題があることがわかります。それが、導入後の押さえておくべきポイントとなります。
次に、そのポイントについてご紹介していきます。



5.導入後の鍵は「混在から共存へ」(条件2)

導入後の鍵は「混在から共存へ」

現在の第一段階(RPA)から第二段階(EPA)へステップアップする上で、早くも懸念されているのが、属人的な「ロボット」の存在です。今後、RPAの活用が進み、作業者に従属する形でロボットが増えていくと、業務プロセスにおける「ヒト」と「ロボット」は混在し、それぞれの役割分担や業務そのものの進捗が見えなくなってしまうことが予想されます。また、属人的な「ロボット」が増えることで、丁度、Excelのマクロや関数のように、そのシートを作成した本人でないとメンテナンスできない・・・といったことが「ロボット」にも起こり得ます。他にも、ロボットのオペレーションが、ロボットの作成者自身の業務スキルやシステム活用スキルに左右されると、気が付いたら無駄な処理を実行するロボットが乱立していたということにもなりかねません。

このように、RPAによる単純作業の自動化は便利な反面、人に従属するロボットが増えることで、その業務におけるIT業務処理統制の低下を招くリスクがあることを意識しておかなくてはなりません。そして、更にもっと深刻な問題は、そのような属人的で統制が利かない状態のままでは、デジタルトランスフォーメーションの実現が非常に困難になる可能性があるということです。

例えば、ある業務において、作業結果に対してどんな確認が必要なのか?その処理に対してどんな判断が必要なのか?何がボトルネックでどこが改善ポイントになるか?といったことが見えない業務プロセスでは、次のテクノロジーである人口知能(AI)を含めた業務設計はほとんど不可能になるでしょう。ですからRPAは、今の第一段階から、「ヒト」と「ロボット」の共存を前提にした業務プロセス上で利用することが望ましいのです。ですが、ほとんどの企業がそこまでを見据えたRPAの利用は勿論、導入に向けた検討もできていないようです。

そこで、RPAの導入と併せてお勧めしたいのが、BPM(Business Process Management)の取り組みです。BPMは、業務プロセスの‟可視化と進捗把握“による、業務全体の最適化を図るためのマネジメント手法です。これにより、プロセス上のボトルネックやセキュリティリスクを的確に捉えて、プロセス最適化に向けたPDCAを回せるようになります。また、‟確認作業“や‟判断業務”に至るプロセスも明確になるため、「ヒトがやるべき業務」と「ロボットに任せる業務」の整理も容易になります(図5)。なによりも、今後のデジタルトランスフォーメーションのステップアップへの備えにもなります。

尚、BPMについては、簡単な設定で利用できるプロセス管理システム(BPMツール)がありますので、RPAを採用する際には是非、併せて検討してみてはいかがでしょうか。

図5:BPMによるRPAを含めた業務プロセス管理


BPMによるRPAを含めた業務プロセス管理




今回は、人事部門がRPAを活用するための‟2つの条件“をご紹介しました。

1.人事の特性にあった提供サービスを導入すること(選定時の条件)
2.業務自動化の意義を正しく捉え、作業の自動化を進めること(稼働後の条件)

貴社が本格的な業務自動化に取り組むのは時間の問題でしょう。
その際には、是非、上記条件を留意していただければと思います。

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