【ナレッジセンター】
IFRS対策から物品管理の一元化、予算作成シミュレーションまで
固定資産管理5つのユースケース(前編)

2016年12月15日

固定資産の管理は、会社や部門それぞれの事情もあって、担当者にとってはなかなか悩ましいものです。
今回は当社が提供する「ZeeM(ジーム) 固定資産管理」を活用して現場の悩みを解決した5つのユースケースをもとに、前編では3つの課題解決事例をご紹介します。

ユースケース1.IFRS対策を考慮した資産管理や組織変更にともなう資産異動に柔軟に対応

特定分野のプラント建設で世界的にも大きなシェアを誇っているA社では、IFRS対応が早急な課題であったため、「ZeeM 会計」と「ZeeM 固定資産管理」を導入しました。
ZeeMを導入する前は、販売管理システムや会計システムなどを一体化したスクラッチの基幹系システムで運用していましたが、管理会計の機能が不足していて、Excelでの資料作成などに時間をとられていました。
そこで、先ずは管理会計に強みを持つ「ZeeM 会計」と基幹システムを連携。基幹システムでいったん処理した仕訳データを「ZeeM 会計」に渡し、月次報告書などの管理帳票を出力するようにしました。また、標準様式以外で報告書の提出を求められた際も「ZeeM 会計」なら、どの画面からも帳票の形でファイル出力ができるため、Excelによるデータ加工の手間を省くことができています。
ほかにも、きめ細かな資産移動処理も可能になったためIFRS対応としても効果がでています。以前利用していた資産管理パッケージは、例えば複数のパソコンを同時に購入したときに1 資産として登録していたため、資産の一部移動処理に手間が掛かっていましたが、例えば、営業部で管理していた10台のパソコンの半分を他部門に移すといったときにも、無理なく対応できるようになっています。また、A社ではプラント建設などを請け負っていることもあり、償却期間が長期に及ぶ大型資産を多数持っていますが、シミュレーション機能を利用することで、3年後、5年後の資産状況も正確に把握できるようになりました。

・A社における導入効果
資産の詳細管理が実現
資産分割機能により、複数資産を効率的かつきめ細かく管理できるようになり、組織変更やIFRSへの対策が容易になりました。

柔軟な帳票レイアウトが可能
ファイル出力機能により、標準帳票以外のレイアウトでの出力が容易になり、各部門の要求に応じて効率的に資料を作成できるようになりました。

シミュレーションの精度が向上
償却シミュレーション機能を利用することで、正確かつスピーディな計算が行えるため、予算額を迅速に把握できるようになりました。

ユースケース2.各工場への資産管理業務の分散と本社による資産情報の一元管理を同時に実現

スクラッチで構築した固定資産管理システムを利用していた食品製造業のB社では、税制変更や税務帳票の変更の度 にシステムを改修する必要があり、その手間やコストが課題となっていました。また、これまで、全国に5つある各工場がそれぞれ固定資産管理システムを運用し、そのデータを本社側で取りまとめる運用をしていたましが、各工場と本社間で集計ミスが発生したり、業務の一部が重複していたりと、業務品質と効率性にも問題を抱えていました。
そこで、税制改正などに柔軟に対応できるパッケージ製品であること、本社側で一元管理しつつ、各工場で資産管理業務を行えることをポイントに「ZeeM 固定資産管理」に切り替えています。
ZeeMを利用したことで、法改正対応は勿論、いままで各工場の資産管理システムで処理したデータを手作業でまとめてた本社側の作業も自動化され、人為的な集計ミスが無くなっています。また、棚卸しのタイミングに合わせて、本社側でチェックリストを作成し各工場へ配布したり、担当者を出張させたりする必要もなくなったため、業務効率化の効果は非常に大きいようです。
ほかにも、複数拠点で扱う際のセキュリティコントロールや、一元化した情報をきめ細かく把握・分析するためのシミュレーションも実現しています。

・B社における導入効果
きめ細かな権限設定により、工場単位での操作を実現
全社的に統合されたマスターデータを用いながら、きめ細かな権限設定を行い、新規資産登録や異動資産登録などが現場で確実に行えるようになりました。

本社管理部門では、全資産の把握が容易に
本社側の管理部門では、それぞれの工場の資産情報を参照できるため、正確かつ効率的に全社の資産を取りまとめることができるようになりました。

ユースケース3.契約書などの各種書類を添付ファイルで一元管理、効率的で確実な固定資産管理を実現

電子部品製造業のC社では、各資産の契約書や申請書、見積書などの各種書類をファイルに綴じて棚に保管していたため、管理している書類と資産管理システム上のデータが紐付いていないことによる問題を抱えていました。例えば、資産の契約内容や購入先を知りたくても、すぐに目的の書類が見つからなかったり、紛失していても気づかなかったりといったことが起きていました。契約書などはPDF化しシステム上で管理することもできたのですが、当時利用していた資産管理パッケージでは、資産データに1種類のファイルしか添付できないため、資産情報が分散化していて、棚卸業務は煩雑にならざるを得ない状態でした。
そこで、複数のファイルを添付できる「ZeeM 固定資産管理」を導入し、契約書データや資産の写真データなど関連する情報を一元的に管理、スムーズな棚卸業務の実現に成功しています。
これにより、現物と画像ファイルを簡単に比較でき、確認ミスが無くなったり、「使用者」「管理責任者」「契約書番号」といった項目から棚卸し用のチェックリストを作成、もし見つからない資産があったとしても、「使用者」や「管理責任者」にすぐ問い合わせることができるようにしています。
ほかにも、資産に貼るラベルシールをWordの差し込み印刷機能を使って簡単に作成するなど、資産管理情報を有効に活用しています。

・C社における導入効果
画像添付ファイルによる情報の一元化
画像ファイル添付機能で、資産の画像や契約書(PDF)などの関連情報をまとめて登録し、必要なとき に必要な書類を素早く探せるようになりました。

自由管理項目の有効活用
自由管理項目を利用し、「使用者」や「管理責任者」などを登録しておくことで、資産が紛失したり、見当たらなくなったりしたときの確認が容易になりました。

使い勝手の良さで現場作業を効率化
資産に貼るラベルシールを出力したり、部門別や設置場所別の棚卸し用のチェックシートを作成したりすることで、棚卸しなどの作業が効率化しました。

固定資産管理システムの決め手は使い勝手の良さ

前編では、IFRS対策を考慮した資産管理の実現、拠点入力・本社一元管理、関連情報の一元化といったキーワードの改善事例をご紹介しました。
いずれも、実際にユーザーの声として共通しているのは「使い勝手の良さ」。単なる操作性だけの問題ではなく、コストと必要な機能の網羅性のバランスから、そう感じていただけているようです。
後編では、シミュレーション機能の活用、パッケージを追加開発することで独自の運用を継承といった2つのユースケースをご紹介します。

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