標準報酬月額の特例改定のいろいろ
Q&A

2020年8月12日

特例改定については、まだまだ気を付けなくてはいけないところがあります。

社会保険_標準報酬月額特例改定

Q:提出期限はいつまで?

遅くとも令和3年1月末までに届出を行う必要があります。この期限を過ぎてしまうと遡及して申請することができず、特例改定を利用できなくなってしまいます。また、年末調整にも影響が出てしまいますので、年末調整の前に余裕をもって届出を済ませておくことをお勧めします。

Q:4月と5月に休業をした場合は2回申請できる?

特例改定は同一被保険者に対して、複数回申請を行うことはできません。

Q:休業が終わったときの届出は?

7月または8月に特例改定が行われた被保険者については定時決定を行わないので、休業が回復した月から3か月間の平均報酬が2等級以上上昇した場合は、固定的賃金の変動 有無に関わらず 必ず随時改定の提出が必要となります。回復した月とは、実際の報酬支払日数が17日(特定適用事業所等の短時間被保険者は11日)以上となった月のことを指します。

Q:休業期間に給与を支給しなかった、または新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を受ける場合でも利用できる?

大丈夫です。対象となります。この場合は実際の給与支給額に基づいて改定することになり、報酬が支払われていない場合には最低の標準報酬月額として改定すること になります。

Q:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の扱いはどうすれば良い?

従業員が受給する休業支援金は、事業主が従業員に支払う報酬ではありません。そのため、保険料賦課の対象とはならないので、報酬に含めずに届出を行います。

Q:いつもの様式で申請すれば良い?

特例改定を利用する際は、専用の様式があります。厚生年金は、月額変更届(特例改定用)に申立書を添付して申請をします。4月に休業した被保険者と5月に休業した 被保険者をまとめて提出することが可能です。

Q:そもそも休業した人の定義は?

令和2年4月から7月までの中で、一か月のうちに1時間でも、事業主からの休業命令や自宅待機指示などによって休業状態にあった方が、今回の特例改定における休業の対象となります。日給や時給の方でも、事業主からの指示で通常の勤務(シフト勤務含む)による日数・時間を短縮し、短時間休業が行われた場合は対象です。
※テレワークは対象となりませんのでご注意ください!

Q:急減月以前の2か月について、給与計算基礎日数の縛りはある?

継続した3か月の各月とも報酬支払の基礎日数が17日(短時間被保険者は11日)以上であることが求められます。休業期間については、給与支給の有無に関わらず休業日を基礎日数として数える事が可能です。



通常の随時改定でとは異なる点が多い特例改定です。また保険料に大きく影響する手続きですから、不明な点は事前にしっかりと確認をして申請に備えたいものです。

※本稿は令和2年7月17日時点の情報によります。
※参考: 日本年金機構ホームページ
※健康保険の詳細に 関しては、各健康保険組合に必ずご確認ください。

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SATO社会保険労務士法人

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。

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