平成28年度税制改正大綱【国際課税】【1】外国子会社合算税制等の見直し/【2】帰属主義への変更を円滑に実施するための措置

2016年7月13日
【1】外国子会社合算税制等の見直し
1.概要

外国子会社合算税制の適用除外要件と同税制の適用がある場合における外国税額控除制度の見直しが行われました。

2.主な改正内容

(1)外国子会社合算税制の適用除外基準の適用 について、次の見直しが行われます。

  1. 一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす特定外国子会社等(英国ロイズ市場において保険業を行うものに限ります。以下(1)において同じ。)の実体基準又は管理支配基準の判定について、当該一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす他の特定外国子会社等がその特定外国子会社等の本店所在地国において実体基準又は管理支配基準を満たしている場合には、その特定外国子会社等は実体基準又は管理支配基準を満たすものとされます。
  2. 非関連者基準の判定上、一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす特定外国子会社等が当該一の内国法人等によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている等の要件を満たす他の特定外国子会社等との間で行う取引については、関連者取引に該当しないものとされます。

(2)外国子会社合算税制の適用がある場合における外国税額控除の対象となる外国法人税額は、特定外国子会社等が納付した外国法人税額に合算所得の特定外国子会社等の所得に対する割合(合算割合)を乗じて計算されますが、特定外国子会社等が子会社(持株割合25%以上等の要件を満たす法人をいいます。)から受ける配当等のうち外国法人税の課税標準に含まれないものは、当該合算割合の計算に係る特定外国子会社等の所得から除外されます。

3.適用時期

特定外国子会社等の平成28年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。




【2】帰属主義への変更を円滑に実施するための措置
1.概要

国際課税原則の帰属主義への変更を円滑に実施するため、必要な措置が講じられました。

2.主な改正内容期

平成28年4月1日より施行される帰属主義への変更に向け、以下の措置が講じられます。

  1. 内国法人の外国税額控除に係る国外所得金額の計算について、国外事業所等帰属所得の金額が零を下回る場合にはその下回る金額である旨及び国外所得金額(国外事業所等帰属所得とその他の国外源泉所得の合計額)が零を下回る場合には零である旨を明確化します。
  2. 外国法人(過去に恒久的施設を有していた外国法人に限ります。)が適格合併等により恒久的施設を有することとなった場合には、その外国法人が過去に有していた恒久的施設に係る欠損金の繰越控除は認めない旨を明確化します。
  3. その他所要の措置が講じられます。

コラム一覧に戻る

過去の会計士コラム一覧に戻る