「記述情報の開示の好事例集2025(サステナビリティ情報の開示)」の公表の解説
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【5分で納得コラム】今回のテーマは【「記述情報の開示の好事例集2025(サステナビリティ情報の開示)」の公表の解説】です。
内容
「記述情報の開示の好事例集2025(サステナビリティ情報の開示)」の公表の解説
1. はじめに
2025年12月25日に、金融庁では、企業から投資家の投資判断により有用な情報を提供することを念頭とした「記述情報の開示の好事例集2025(サステナビリティ情報の開示)」の更新を公表しました。なお、今回公表した「記述情報の開示の好事例集2025(サステナビリティ情報の開示)」は、今後、第3回、第4回の勉強会で採り上げる開示例を追加して、「記述情報の開示の好事例集2025(最終版)」として公表・更新される予定です。
日時 テーマ 第1回 2025年10月16日 サステナビリティ①
(全般的要求事項、気候変動関連)第2回 2025年11月11日 サステナビリティ②
(人的資本、人権、個別テーマ)第3回 2026年1月19日 MD&A、事業等のリスク 第4回 2026年2月16日 コーポレート・ガバナンス(株式の保有状況)、重要な契約 今回は、第1回勉強会と第2回勉強会で議論されたサステナビリティ情報の開示について、投資家・アナリスト・有識者が期待する主な開示のポイントを紹介します。
2. 投資家・アナリスト・有識者が期待する
主な開示のポイント(1)各テーマ共通
• 有報と任意開示との役割分担を整理し、重複回避と深掘りを両立することは有用
• 有報は前年度の統合報告書の焼き直しではなく、当年度の経営判断や指標を開示する媒体であるべきである。
• 開示プロセスを適切に整備することや第三者のチェックを経ることが重要であり、適切な手続を踏んだうえで、不確実性のある情報も積極的に開示する姿勢が望まれる。
• 開示プロセスを整備し、開示情報の合理性と算定方法の検証を早期から開始できるように工夫することは有用
• 多様な投資家が理解しやすい構成と粒度の開示にすることは、企業価値向上に直結する情報を明確に示すことにつながるため有用
• AI等を利用した分析手法の広がりに対応できるように、図表だけでなくテキストでも記載し、機械可読性と分析可能性を高めることは有用
• SSBJ/ISSB基準が定義する「重要性(materiality)」とTCFDやCSRDにおけるマテリアリティ(=重要課題)では意味合いが異なる点に留意が必要である。有価証券報告書上は、「マテリアリティ」をSSBJ/ISSB基準の定義に沿って財務的な重要性のある情報として開示することが望ましい。
• 企業価値やキャッシュ・フローへの影響を投資家が判断できるように、企業価値に影響のある重要な情報を開示することが求められる。
• 財務情報と非財務情報のつながりについて可視化を進めていくにあたり、まずは企業価値向上にどのようにつながっていくのかについて仮説を立てることから始めることが重要
• SSBJ基準に準拠した開示をする企業においては、基準に沿ってサステナビリティに関する重要性のあるテーマを過不足なく開示することが適当
• 今後SSBJ基準の適用を見据える企業においては、バリューチェーン全体を視野に入れた対応を進めていくことは有用
• 人的資本の観点では、自社の強みを活かす独自指標を設定し、それを開示することは特に重要
• 開示の充実については、経営者と開示担当部門を始めとする関係部門の連携が重要
• 株主総会前に有価証券報告書の開示を行うことは有用
(2)「全般、気候、個別テーマ」の開示例
• 有報の他の記載個所を参照して繰り返しを避ける工夫は有用
• 監督と執行の役割分担を明確に記載するとともに、取締役会での報告・協議・決議の具体的な内容を記載することが望ましい。
• 特定したリスク・機会と取組の対応関係を明確に示すことが望ましい。
• 非財務情報と財務情報のつながりを明確に記載することが望ましい。
• 財務影響の「大・中・小」は抽象的な表現に留めず、金額レンジや閾値を定義して開示することや、時間軸の「短期・中期・長期」を年数で具体化して開示することが望ましい。
• 対応策の優先順位と着手順を、時間軸と関連付けて明記することが望ましい。
• サステナビリティ関連のリスクと機会の識別・評価・優先順位付けのプロセスを明確に開示することが求められる。
• 特定したリスク・機会と取組の対応関係を明確に示すことが望ましい。
• 人的資本と人権は項目を分けて記載し、それぞれの性質に応じた開示を行うことが望ましい。
• 人権デューデリジェンスの結果は「ゼロリスク」であったことではなく、課題と対応プロセスを開示することが望ましい。
• 知的財産や自然資本の開示では、経営戦略との関連性を明確にすることが望ましい。
• 生物多様性や自然資本、知的財産などの開示にもガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標
の枠組みを適用することは有用
(3)「人的資本、従業員の状況」の開示例
• 経営戦略と人材戦略の連動性を明確に示すことが望ましい。
• 人的資本に関する非財務情報と財務情報の連動が重要で、定量情報を積極的に開示することが有用
• 人的資本の指標は、戦略と指標及び目標の連動が重要
• 人的資本の取組が財務アウトカムにどうつながるかを開示することは重要
• 事業戦略ごとの必要人材数やスキル構成を定量的に開示することが望ましい。
• 時系列での変化と継続的取組を開示することが望ましい。
• 開示する施策に関連したベンチマークとなる数値を開示することは、企業がその戦略で目指すべき方向を理解するために有用
• 多様性指標(女性管理職比率、男性育休取得率、男女間賃金格差)だけでなく、経験の質を測る指標を開示することが望ましい。
• 男性育休取得率は、単なる取得率ではなく、具体的な取得日数や取得による効果を開示することで、企業文化への定着度が評価できるため有用
• 自社の弱みを含んだ原因について客観的に分析を行い、その解消のための対応策について開示を行うことは、企業の人事戦略の進捗を把握するうえで有用
• 多様性に関する指標については、海外子会社を含めた連結ベースでの開示を行うことも有用
3. 最後に
サステナビリティ情報の開示の質を高め、投資家との建設的な対話を引き出すためのヒントとして、ぜひご活用ください。
執筆陣紹介
- 仰星監査法人
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仰星監査法人は、公認会計士を中心とした約170名の人員が所属する中堅監査法人です。全国に4事務所(東京、大阪、名古屋、北陸)2オフィス(札幌、福岡)を展開しており、監査・保証業務、株式上場(IPO)支援業務、ファイナンシャルアドバイザリーサービス、パブリック関連業務、コンサルティングサービス、国際・IFRS関連業務、経営革新等認定支援機関関連業務などのサービスを提供。
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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。

