【シリーズ連載】資金繰り・キャッシュフロー計算書を会計システムで使いこなす!
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経理のプロが選ぶ会計システムはなにが凄い?
第4回「資金繰り・キャッシュフロー計算書を会計システムで使いこなす!」多くの企業の経営改善を行ってきた、バックオフィスや管理部門の実務のプロ集団「株式会社RSTANDARD」。その代表の清水氏が、様々な会計システムを使ってきた中で、「使える会計システム」の条件をシリーズで語るコラム企画。
なぜ資金繰り表の作成に苦労するのか?
企業にとって資金繰り表は、とても重要な帳票である。資金繰り実績は過去の資金収支の状況を明らかにするものであり、また、資金繰り予定は将来の資金収支及び手元資金を予測するものである。企業のおかれた状況により重要性が異なるが、月末の資金予測を正確に行う場合や将来の手元資金を予測し再投資可能金額などを把握する場合などがある。
この資金繰り表を作成するための方法は、大きく分けると入金や支払などエビデンスから集計する方法と、会計システムの取引データや予算データから集計する方法がある。何れの方法も労力としては相当なものであることはいうまでもない。企業によっては、日々資金繰り表作成のために人件費を割くことも例外ではない。
資金繰り表は、多くの企業にとってとても重要な帳票であるため、労力をかけることに肯定的であるというのが実態であろう。なぜキャッシュ・フロー計算書の作成に苦労するのか?
上場会社や上場準備会社では、キャッシュ・フロー計算書を作成する場合がある。財務諸表規則等で求められたキャッシュ・フロー計算書は、資金繰り表と同様に資金の収支を表す帳票であり、財務諸表規則等に従って作成するため専門的な知識も必要となる。
キャッシュ・フロー計算書を作成するための方法は、大きく分けると期首および期末の合計残高試算表からExcelで作成する方法と、会計システムの取引データから自動的に作成する方法がある。
多くの企業では、期首および期末の合計残高試算表からExcelで作成する方法によっており、相当な労力をかけているというのが実態であろう。なぜ資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書の作成に会計システムを利用しないのか?
相当な労力がかかると解っている資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書の作成に、なぜ多くの企業は会計システムを使わないのか。その答えは、端的にいうと多くの会計システムには必要十分な機能がないからということである。機能が無いのであるから利用しようにも利用できないのである。
一方、機能があっても使いこなせないというのも多くの場面で散見される。なぜ利用できないかというと、財務的視点が苦手で利用できないというのが主な理由と考えられる。また、会計システムが中途半端な機能しかなければ、中途半端な帳票が作成され判断を誤るため利用しないということもあるようだ。会計システムで資金繰り表を作成!
筆者は、長年にわたって会計システムの実績データ及び予算データを利用して資金繰り実績表及び資金繰り予定表を作成した経緯がある。これらの帳票作成時間は、毎月5分である。自動的に作成された帳票のチェックに5分を費やすのみである。
なぜ、5分でできるのか?
その答えは、勘定科目と資金科目を保有し、相互紐づけできる会計システムを利用していたからである。初期設定さえ正しく行えば、あとは何もしなくても資金繰り実績表や資金繰り予定表を作成してくれるのである。会計システムでキャッシュ・フロー計算書を作成!
会計システムでキャッシュ・フロー計算書を作成するためには、会計システムに勘定科目の他にキャッシュ・フロー科目が必要となる。勘定科目とキャッシュ・フロー科目の紐づけをおこない自動的にキャッシュ・フロー計算書を作成するのである。但し、同じ勘定科目でも異なるキャッシュ・フロー科目の残高となる場合があるため、キャッシュ・フロー科目間の振替処理を行う場合もある。つまり、キャッシュ・フロー仕訳を起票できる会計システムであれば、財務諸表規則等に準拠したキャッシュ・フロー計算書を作成することができるのである。
勘定科目とキャッシュ・フロー科目の紐づけを正しく行い、キャッシュ・フロー仕訳を適宜作成することによって、キャッシュ・フロー計算書も5分程度で作成できるのである。資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書の作成が容易な会計システム
資金繰り表やキャッシュ・フロー計算書の作成を会計システムで行うには、まず機能として十分であることと使いやすさが重要である。この両方を兼ね備えている会計システムは、「ZeeM 会計」である。一旦設定してしまえば、あとは全て自動計算してくれる優れものである。
「ZeeM 会計」ほど細かな設定ができる会計システムは稀少である。一度体験してみる価値は十分あると思う。おわりに
会計システムは、本来企業の財産ともいえる会計データベースを有効に活用するもであり、活用できるものである。会計データベースがあるにも関わらず、同じ情報を手集計することは本末転倒である。
近い将来、会計実務の効率化は格段と進み企業間格差は広がることが予想される。今、効率的視点に立って会計システムの効果的な運用を試みることは、企業間競争力の一助になるだろう。
厳しい経営環境のいま、少しでもヒントになればと願う。
著者プロフィール
- 清水 武洋 株式会社RSTANDARD 代表取締役
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株式会社RSTANDARD(アールスタンダード)・会社概要
スタートアップ企業から一部上場企業まで幅広く経理業務のアウトソーシング・経理のコンサルティング業務を中心に事業を展開。クライアント先で業務代行を行うだけでなく、低コストかつ最短で高度化した経理部門となるための方策を提案、変革するための支援も行うなど、専門コンサルティング領域にも力を入れている。
クライアントの成長に寄与することを使命として、スローガンである「Re-make The Standard(新たな付加価値を標準化に)」を掲げている。
※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。