平成29年度税制改正大綱【法人課税】

2017年1月11日
1.平成29年税制改正大綱の公表

自由民主党と公明党の両党は平成28年12月8日に平成29年度税制改正大綱を公表しました。今回は法人課税について取り上げます。今回の税制改正大綱の基本的な考え方では、企業の「攻めの投資」や賃上げの促進など経済の好循環を促す仕組みを進めることや中堅・中小事業者の支援、地方創生の推進があげられており、法人課税の改正はこの考え方に沿った内容となっています。

2.法人課税改正項目一覧(主要項目)
※今後の法案審議において、適宜修正等がされる可能性があります。

3.研究開発投資にかかる政府目標と活用実績

現行の安倍政権は「新3本の矢」の1つとして、「2020年頃の名目GDP600兆円達成」を目標として掲げており、日本経済の未来を切り開く重要な鍵は「第4次産業革命」と呼ばれる革新的技術の創出とその活用であることとしています。 経済産業省ではこの目標を達成するために、民間企業の研究開発投資を年平均5%程度増加していくことが必要と提言しており、今回の税制改正にその内容が反映されています。(上表「項目1」参照)

研究開発関連の税制は過去に改正を重ねられ、現状で幅広い業種に活用されています。活用している企業のおよそ7割は中小企業(資本金1億円以下)となっており、今回の税制改正により、さらなる制度の活用が見込まれることになると考えられます。




参考文献等:平成29年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】平成28年8月





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仰星監査法人
仰星監査法人は、公認会計士を中心とした約170名の人員が所属する中堅監査法人です。全国に4事務所(東京、大阪、名古屋、北陸)2オフィス(札幌、福岡)を展開しており、監査・保証業務、株式上場(IPO)支援業務、ファイナンシャルアドバイザリーサービス、パブリック関連業務、コンサルティングサービス、国際・IFRS関連業務、経営革新等認定支援機関関連業務などのサービスを提供。

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