コーポレート・ガバナンスを考える

2015年9月24日

2016年1月14日

2015年は多くの企業不祥事が発生した年ではないでしょうか。東芝の不適切会計処理問題、東洋ゴム工業のデータ改ざん問題、海外ではフォルクスワーゲンの排ガス不正問題と企業のガバナンスに起因した問題をよく目にします。

今回は、「コーポレート・ガバナンス」について少し考えてみたいと思います。

まず、コーポレート・ガバナンスとは、「株主・役員・従業員・取引先・金融機関、さらには地域住民といった企業を取り巻く利害関係者(ステークホルダー)がバランスよく利益を享受できるように経営をうまくコントロールする仕組み」と言えます。

新聞紙上をにぎわせた企業は、グローバル展開する大企業ばかりです。一方で、非公開会社、とりわけ多くの中小企業にとって、コーポレート・ガバナンスは無関係なものでしょうか。中小企業では所有と経営が一致したオーナー企業も多く、コーポレート・ガバナンスは無縁というのが実情かと思います。トップの強力なリーダーシップのもとで迅速な意思決定ができることが中小企業の大きな強みであることは間違いありませんが、企業の持続的成長を考えると、どんな企業であってもコーポレート・ガバナンスを意識しなくて良いわけではありません。

では、どういったガバナンスが考えられるのでしょうか。難しく考える必要はなく、まずはステークホルダーに対する情報開示がコーポレート・ガバナンスの第一歩です。株主や経営陣だけではなく、従業員、取引先、金融機関などに対して、定量的・定性的な経営情報を積極的に開示することが重要です。すべてに同じ情報を開示する必要はありませんが、企業側から積極的な情報開示を行うことで、企業自体の緊張感も高まりますし、ステークホルダーからも積極的な関与が期待できます。そうした好循環を形成することで、組織を活性化することができるでしょう。

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