事例インタビュー

公益財団法人 積善会 曽我病院
外部委託していた給与計算を内製化し、
業務効率化とデータ活用を実現!



曽我病院は、1932年に30床の精神科病院としてスタート。今日では小田原市内に3法人14施設、さらに横浜市に2施設を展開する公益財団法人積善会グループの中核病院の役割を果たし、精神疾患の急性期治療、精神科リハビリテーション、認知症疾患の治療、精神疾患の身体合併症治療、精神科地域生活支援などに力を注いでいる。
同病院の事務部総務課は、曽我病院のみならず法人内の労務・経理・購買などの業務全般を担っている。

事務部総務課では、長年にわたり給与計算を業者に委託してきたが、紙媒体のフォームに転記する必要があるなど二度手間、三度手間を強いられるだけでなく、計算結果を他の処理に再利用できないといった課題を解決するために、2011年1月より『ZeeM人事給与』の本番運用をスタート。給与計算の下準備のための労力が大きく軽減されただけでなく、データの再利用が可能になったおかげで業務の効率化が一気に進んだ。事務部総務課では、院内のデジタル化をさらに進めていくことで、同院が目指す「地域に開かれ、地域ニーズに応える医療・福祉の拠点」の実現を支援していきたいと考えている。

<これまでの課題>
■外部委託していた給与計算の下準備が大変なだけでなく、データの再利用もできなかった。
■紙媒体や複数のソフトで各種データを管理していた、データの取り出しに手間が掛かっていた。
■経営・本部が経営判断に利用するデータの再集計に時間がかかっていた。

<導入効果>
■紙媒体への転記作業がなくなり、データの再利用も可能になり、労力が軽減された。
■職員情報に紐付いた形で、さまざまなデータを管理できるため、業務が効率化した。
■経営層から求められる各種資料をタイムリーに提供できるようになった。




左から山内主任、熊谷(クレオマーケティング)


曽我病院の概要と事務部総務課の役割を教えてください。

当院は、精神科を中心とした病院で、総病床数は399床です。法人では、病院のほかに介護老人保健施設や訪問看護ステーション、看護専門学校を運営しています。また、敷地内には特別養護老人ホームや障害者施設などを含む3法人14施設を展開し、積善会グループの中核として、神奈川県西を中心に地域の皆様に福祉医療を提供しています。2014年7月には、神奈川県から事業委託を受け、認知症疾患医療センターを開設し、認知症の鑑別診断や身体合併症と行動・心理症状への対応、専門医療相談などとともに、地域の保健医療・介護関係者などの連携、人材の育成などを行い、患者様とその家族の方々が安心して暮らすための支援体制を整えています。 なお事務部総務課は、当院だけでなく、法人内の事務業務を幅広く統括しています。



ZeeMを導入する前の給与計算業務にはどのような課題がありましたか?

ZeeMの導入前は、専門業者に給与計算を委託していましたが、業者にデータを渡すための下準備が大変でした。
当時、職員データや給与・昇給に関するデータはそれぞれ異なるオフィスソフトで管理している状態で、しかも業者に給与計算を依頼する際には、パソコンでデータを集計しなおして、入力用の紙帳票に転記し、クルマで業者に搬入し、その後データを受け取って銀行へ振込依頼をしなければなりません。まさに給料日の前は絶対に休めない状況でした。計算結果も紙帳票で受け取っていため、そのままではデータを再利用することもできません。保険料の算定基準を求めたり、法定調書を作成したりする際には、データの再入力か、あらためてメディアの形でデータを再購入する必要がありました。
また、ハローワークに離職者の失業保険を申請する際には、過去1年分の離職者の給与記録を保管している紙媒体からコピーして離職票に添付するといった作業が必要で、さまざまな二度手間、三度手間が発生していたのです。



「任意検索」と「汎用項目」を駆使して、
経営層や所属団体が求めるデータを素早く集計。


どのような経緯でZeeMを選定したのでしょうか?

2010年1月に、委託業者側で給与計算システムを変更し、データでの受け渡しがようやくできるようになりましたが、それにともない新たなコストが発生するということでしたので、思い切ってパッケージの導入を検討することになりました。取引先のベンダーに声を掛けたり、Web上で人事給与パッケージを検索したりして、いくつかのベンダーに問い合わせた結果、クレオマーケティングさんを含む7社が候補に挙がり、実績や知名度などから3社に絞り込みました。実は、その時点でクレオマーケティングさんやZeeMのことはまったく知らなかったのですが、ネット上での評判は高いようですし、なによりも実績や機能、拡張性において他社に遜色がなく、コストパフォーマンスも優れていることから、ZeeMを選ぶことになりました。
決め手となったのは、コストパフォーマンスに加え、「データを吐き出す力」といいますか、データを自由に扱える「任意検索」や「汎用項目」という機能です。また、一般の企業とは異なり、病院は早番手当や夜勤手当などの処理が複雑なことから、他病院での実績も重視しました。



ZeeM導入に際してのご苦労は?

2010年8月からZeeMの導入を始め、翌年1月からの本番運用を目指しました。ZeeMへの切り替えを12月末までに完了させることができれば、年度途中でのデータ移行といった手間が一切省けるからです。
5カ月という短期間での導入は、正直、難しいのではないかと思っていましたが、短期導入の実例がいくつかあるようですし、クレオマーケティングの担当営業さんやSEさんの熱心な支援もありましたので、なんとか間に合わせようと決心しました。普段の業務をこなしながら導入を進めるのは確かに大変でしたが、ZeeMの研修を一通り受けたこともあって、基本的な使い方の習得にとくに困るようなことはありませんでした。こうして10~12月の並行運用の期間を経て、予定どおりに本番運用を始めることができました。
ただ、運用を始めた当初は、「任意検索」の設定に戸惑うこともありました。そんなときにも、定義した検索条件をメールに添付してサポートセンターに問い合わせれば、修正点について丁寧に教えてもらえることができ、自然とマスターしていくことができました。その意味では、サポートセンターをフルに活用することでずいぶん助かりましたし、心強かったですね。



「任意検索」や「汎用項目」はどんな用途に利用していますか?

「任意検索」は、各種団体からアンケート調査を依頼されたり、経営層・本部から資料を求められたりしたときに役立っています。アンケート調査や、保健医療機関などからの監査に対する回答書の提出は、多いときに月に三つも四つもあります。当然ながら、質問内容や記載方法などはそれぞれ異なります。いままでは紙媒体や各種ソフトなどにばらばらにデータが保存されていましたから、該当するデータを探して取り出すだけでも大変な労力を必要としていました。それが、ZeeMの導入後は人事給与関連のデータはすべて集約されていますし、「任意検索」を使って簡単に取り出せるようになりました。
一方、「汎用項目」は職員が通勤に使っているクルマの管理や、共済組合の登録番号・等級などの管理を行っています。当然ながら、ZeeMには人事給与関連の処理に必要な画面はすべて標準で用意されていますが、「汎用項目」を利用することで、ユーザー側で自由に項目を登録し、テーブルを設計できます。ZeeMを使い始めるまでは、まさか人事給与パッケージで車両管理ができるとは思っていませんでしたが、職員情報に紐付いているため大変便利です。
また、「汎用項目」で管理している項目を「任意検索」で抽出することもでき、例えば、退職金共済の登録番号一覧を取り出すようなことも簡単に行えます。



『ZeeM人事給与』の導入効果について教えてください。

毎年の運用コストは、業者に委託していたときとほぼ同等でありながら、紙媒体への転記といった二度手間、三度手間が解消されたうえ、データの再利用が可能になったことで、作業の効率化や労力の軽減が実現しました。
ZeeMのおかげで、いままで何日もかけていた作業が、それこそ1クリックで処理できるようになったのです。例えば、細かい話ですが、給与明細書を全職員に配る際には、職員番号順で打ち出されたものを病棟別に仕分けをする必要がありましたが、最初から病棟別で打ち出せるようになったため、すぐに配れるようになりました。そうした細かい改善の積み重ねにより、無駄な作業がずいぶんと減ったという実感があります。
また、求められた資料をすぐに集計して提出できるようになったため、事務長や経営層・本部からも高く評価してもらっています。



今後の展望についてお聞かせください。

先ほどの給与明細書の配布についてですが、ZeeMにメール配信やWeb上に表示する機能が標準装備されていますから、できれば利用したいと思っています。ただ、紙の給与明細書を支持する職員もいますので、今後の検討課題ですね。
2012年12月から電子カルテの運用も始めたこともあり、日常業務のデジタル化が徐々に進んでいますので、単に労力を軽減するためだけにシステムを導入するのではなく、デジタル化に向けた院内の意識改革につなげることができればと思っています。実は、こうした取り組みの一環として勤怠管理システムの導入についても検討中ですので、クレオマーケティングさんの今後の提案にも期待しています。



公益財団法人積善会曽我病院 事務部総務課 主任 山内智樹 氏
ZeeMを選んだ理由は『データを吐き出す力』といいますか、データを自由に取り出せる汎用性の高さを評価したからです。

<企業情報>
公益財団法人積善会曽我病院
所在地 : 神奈川県小田原市曽我岸148
設立 : 1932年4月
院長 : 長谷川剛
総病床数 : 399床
在籍医師 : 常勤11名、非常勤7名(2016年7月1日現在)
従業員数 : 339名、法人全体435名(2016年7月1日現在)
URL : http://www.soga-hp.com/
施設一覧 : 施設一覧:同一敷地内に、3法人14施設からなる積善会グループを形成しています 曽我病院/看護専門学校/病院付属社会復帰センター/訪問看護ステーション/介護老人保健施設「リバーイースト」/介護老人福祉施設「ルビーホーム」/ケアハウス「ルビーハウス」/知的障害者入所更生施設「永耕園」/知的障害児入所更生施設「光海学園」/通所施設「デイセンター永耕」など
※本事例の掲載内容は取材時点(2016年7月)のものです。

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