事例インタビュー

医療法人社団 甲友会
医療法人に最適な人事・給与ソリューションにより、
人事制度改革への柔軟な対応を実現。



医療法人社団甲友会は、西宮協立脳神経外科病院を中心にリハビリテーション病院、訪問看護センター、デイケアセンターなどの四つの施設を兵庫県西宮市に展開。地域における中核的医療機関として、脳卒中などの患者様のトータルケアに取り組んでいる。その法人本部は、同法人の活動を支援するための経営企画や、各施設および新規事業の計画の立案・実施を行うとともに、常勤・非常勤合わせて700名を越える職員に対し、働きがいのある職場を提供するための環境整備を進めている。

同法人では、従来に増して地域医療に貢献するとともに、職員にとっても成長ができ、やりがいのある法人の実現を目指して2016年4月に人事制度を刷新した。また、全国の医療機関において豊富な実績を持つ『ZeeM人事給与』を2013年に採用し、制度改革に向けて準備を整えた。『ZeeM人事給与』の運用開始により、人事制度の変更に柔軟に対応できるようになっただけでなく、人事・給与担当者の業務の効率化を図ることができた。その結果、人事管理や給与計算などの日々の業務に追われることが少なくなり、経営資料の作成や、職場環境の整備などの企画立案に時間を割けるようになった。

<これまでの課題>
■人事制度改革に合わせて、システムの設定をすることができなかった。
■人事管理と給与計算を別システムで運用していたため、手作業でデータ連携を行う必要があった。
■資料作成のためのデータ収集や日々の事務処理に追われ、人事企画の立案や経営資料の作成に十分な時間が取れなかった。

<導入効果>
■マスタテンプレートの設定変更機能により、給与条件や就業規則の変更にも柔軟に対応。
■人事管理と給与計算を一体化したシステムにより、データの自動連携を実現。
■任意検索機能により、担当者が任意で必要なデータを抽出でき、さまざまな角度から分析できる資料を作成することが可能。




左から西野係長、品田主任、中根(クレオマーケティング)、武田さん、末藤さん


法人本部人事部の業務内容を教えてください。

当法人は、兵庫県の西宮市内で、脳神経外科病院を中核にリハビリテーション病院や訪問看護センター、デイケアセンターという四つの施設を展開している医療法人社団です。法人本部に属する人事部は、各施設の人事担当者や給与担当者と協力しながら、当法人全体の人事企画の立案や人事関連の業務を行っています。一般企業の人事部と比べて、業務内容に大きな違いはないと思いますが、医師や看護師、薬剤師など、さまざまな資格を持つスタッフが働いていますし、夜勤や早出など多様な勤務形態のため、人事管理や給与計算の仕組みは複雑と言えるかもしれません。



どのような課題を抱えていましたか?

人事部では、看護師などスタッフの確保と、定着率を上げるための職場環境の改善に力を入れています。当法人に限らず、看護師を中心としたスタッフの定着に苦労している医療法人は少なくありません。例えば新たに採用した看護師が早期に退職すると、他の看護師の負担が増すことになり、職場環境が悪化して退職者が増えてしまうという悪循環に陥りかねません。また、入院患者数に対する看護師数は「施設基準」と呼ばれる医療機関の公的な評価基準の一つとなっているため、入院基本料などの診療報酬も変わり、経営にも大きな影響を及ぼします。
こうした課題を解決してより働きやすい職場環境を実現し、職員のモチベーションを高めて大きな成果を実現していくために、本格的な人事制度改革に取り組むことになり、2012年ごろからその準備をスタートさせました。



システムを更新することになった背景は?

人事制度を改革するには、当然ながら、現状についてさまざまな角度から分析や検証を行う必要があります。ところが、既存のシステムではそうした機能が不十分であり、制度改革に柔軟に対応できませんでした。理事会などから経営資料の提供を求められた際にも、処理に時間がかかるため、以前からタイムリーに応えることができないことも課題の一つでした。しかも、人事管理システムと給与計算システムをそれぞれ別に運用していたため、スムーズにデータ連携ができませんでした。例えば、スタッフを新しく採用したときには、人事管理システムと給与システムの両方にデータを登録しなければなりません。また、システム間でデータを受け渡す際には、手作業で加工するという手間が発生するため、非効率な運用となり、担当者の時間外労働もなかなか減らない状況でした。それ以前の問題として、既存の人事システムや給与システムは長年にわたって運用してきたこともあり、サーバーの処理速度や、ストレージの容量、サポート切れなど、さまざまな問題を抱えていたということもあります。



柔軟なデータ連携と、使い勝手の良さを
人事・給与の担当者全員が高く評価して導入を決定。


システム選定の経緯を教えてください。

人事制度改革の準備が始まった2012年ごろから、人事管理と給与計算を一元管理できるシステムを探していました。パッケージの比較サイトや、ベンダーの製品サイトなどをチェックし、気になった製品があれば問い合わせをしたり、デモを実施してもらったりして、比較検討を進めていきました。新システムの導入は、それなりの投資となるため、じっくりいいものを検討していくという方針を採ることにしたのです。
ところが、その年の夏に緊急事態が発生してしまいました。既存の給与計算システムでサーバーに障害が発生し、一部の施設で年末調整の処理ができなくなってしまったのです。情報管理部門に対応してもらうことで、なんとかその年はしのぐことができましたが、2013年の年末調整までには新システムに移行しなければならないように思えました。そこで選定を急ぐことになり、それまでに10製品近く比較検討してきましたが、最終的に『ZeeM人事給与』を採用することにしました。



『ZeeM人事給与』を選定した理由は?

病院での導入実績が多いことが最大の選定理由です。医療法人は、一般企業に比べて勤務形態が複雑ですし、給与計算のための項目も多いので、実際に医療の現場で使われていることが重要だと考えました。
次に重視したのが使い勝手です。人事部のメンバーと、各施設の人事担当者・給与担当者10名ほどで、各製品のデモを見て、実際に操作も体験したうえで、アンケートを実施しました。その結果、『ZeeM人事給与』は「使いやすい」という項目で最も票を集め、「使いにくい」という票が最少でした。
それだけではありません。『ZeeM人事給与』は、データベースのテーブルレイアウトが公開されているため、自由にデータを抜き出すことができ、情報管理部門に依頼して他のシステムと連携させたりする必要がなくなり、人事部で経営分析のための報告書を作成したりすることが容易になります。既存のシステムや比較検討した他製品は、例えば給与計算であれば、日割計算のやり方や端数の処理方法を変えたり、勤怠管理などの項目を増やそうとしたりする際に、ベンダーに設定変更を依頼しなければならず、その度にコストが発生し、対応に時間もかかってしまうことが大きな問題でした。こうした柔軟性の高さが決め手となり『ZeeM人事給与』の採用が決まったのです。
また、各ベンダーに問い合わせをした際に、クレオマーケティングさんはレスポンスも早く、さまざまな提案を行ってくれたことが、今後のお付き合いを考えた際の採用ポイントの一つになりました。



『ZeeM人事給与』の導入効果は?

こうして2013年3月には契約を交わし、5月から構築をスタート。10月から本稼働を始めました。この年の年末調整に間に合わせるにはぎりぎりのタイミングでしたが、クレオマーケティングさんが頑張ってくれたおかげで、なんとか間に合わせることができました。
実際に運用してみて、人事管理や給与計算などの煩雑な事務処理に日々追われていた担当者に、余裕が生まれるようになりました。その時間を生かして、理事会などから求められた経営資料の作成に注力したり、人事企画などにより多くの時間を割いたりできるようになりました。実際、『ZeeM人事給与』を使い出してからは、人事部が作成した資料や提案書の品質が高まり、経営層や他部門からの信頼感も増してきているのではないかと、手応えを感じています。
また設定変更についても、例えば給与計算で手当の名称を変更するときには、いままでは計算式や帳票などの変更個所をすべて調べあげる作業に時間を要していましたが、『ZeeM人事給与』では、マスタテンプレートに手を入れるだけで済むため、単純なミスもなくなりました。



今後の展望についてお聞かせください。

2016年4月には、長年の懸案であった人事制度が刷新され、職場環境の整備が大きく進みました。
人事部としては、いままでその準備に大わらわでしたが、今後は、より働きがいのある職場づくりを実現するために、人事企画の立案や経営資料の作成にさらに力を入れていきたいと考えています。もちろん人事制度のさらなる見直しや改善も必要になるでしょうから、そのためのシステム基盤として『ZeeM人事給与』をおおいに活用していくつもりです。『ZeeM人事給与』を導入している他の医療機関や一般企業の多くが、われわれとは異なる発想でさまざまな創意工夫を凝らしていると思います。当法人でもそうした取り組みをさらに進めていくためにも、クレオマーケティングさんには他企業の取り組み情報を積極的に提供していただければ助かります。



医療法人社団 甲友会 法人本部人事部 係長 西野 静夫 氏
煩雑な事務処理から開放され、内容の濃い資料を作成できるようになりました。また、人事制度刷新により、職場環境の整備と同時に組織活性化への足掛かりをつくることができました。
医療法人社団 甲友会 法人本部人事部 主任 品田 浩志 氏
使い勝手に優れているだけでなく、任意検索機能を使いこなすことで、必要なデータだけを抽出できるようになり、データの利用範囲も広がりました。

<企業情報>
医療法人社団 甲友会
所在地 : 兵庫県西宮市今津山中町11-1
設立 : 1988年4月
理事長 : 大村武久
在籍医師 : 40名(2016年4月1日現在)
従業員数 : 717名(2016年4月1日現在)
URL : http://www.nk-hospital.or.jp/
施設一覧 : 西宮協立脳神経外科病院/西宮協立リハビリテーション病院/西宮協立訪問看護センター/西宮協立デイケアセンターほほえみ/西宮協立デイケアセンター第2ほほえみ/西宮市瓦木在宅療養相談支援センター(西宮市受託事業)
※本事例の掲載内容は取材時点(2016年6月)のものです。

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